市民農園は、自治体や農家が運営し、一般の方に農地を貸し出すサービスです。お住いの地域で検索すれば、すぐに見つかるでしょう。しかし、利用方法は運営者によって異なります。今回は市民農園の一般的な利用方法についてまとめました。家庭菜園が気になるけど野菜を作る場所がない!そんなあなたも月に1000円程度で畑が借りられます。趣味の野菜作りをされている方が多いので菜園仲間が増えることも期待できそう。特に私のような家庭もちのサラリーマンは職場以外で人とつながる場が少ない方も多いでしょう。野菜作りのコミュニティがあれば、たとえ職場でうまくいかなくても『自分には畑がある』という気持ちで気持ちを切り替えることもできます。財布にやさしく、家族にも貢献できる健全な趣味として畑ライフを送ってみるのはいかが?

この記事でわかること
・募集は冬から早春にかけての12~3月、追加募集は6~8月
・運営者(自治体もしくは個人)や地域(都市部か地方都市)で使える区画の広さや価格が異なる
・『自治体名+市民農園』でウェブ検索すれば簡単に探せる
・基本的に水道設備が備わっており、農園によっては他に利用できる設備がある
・募集期間に関わらず区画が空くこともあるため相談してみるのも手
市民農園はウェブ検索で調べられる
市民農園の情報は、地域の広報誌や掲示板でも見つかりますが、ウェブ検索が最も手軽で便利です。野菜作りを始めたい『自治体名』と『市民農園』で検索するだけでOK。募集サイトを見つけることができます。運営は地方自治体のほか、農家など個人が行う場合もあり価格帯や設備などが異なります。詳細が気になる方は担当者に問い合わせてみるのもよいでしょう。また、『農園ナビ』というウェブサイトでは全国の市民農園情報がまとめられ、市民農園を探している方には便利なサイトです。利用可能な設備などの情報も掲載され、農園の比較もしやすくなっていますので、気になる方は検索してみてください。

募集期間
募集は主に冬~早春(12月~3月)に行われるのが一般的です。また、夏(6~8月)頃には追加募集を実施している場合があります。募集方法には応募順に区画が決まる先着制、利用希望者が多い地域で採用される抽選制、希望者の情報をもとに貸し出しが決定される審査制の3パターンがあります。特に抽選制の場合は、夏や秋に翌年春からの利用者の募集が行われる場合もあります。地域によっては抽選倍率が4~5倍になることも!募集期間を逃さないよう情報をチェックしましょう。空きがある場合、募集期間終了後も貸し出されることもあるので、問い合わせてみるのもおすすめです。
市民農園の利用に必要な費用
農園の区画を借りる費用は、運営者が 市町村、NPO法人・JAなどの団体、または個人(農家など) かによって異なります。一般的に、市町村やNPO法人が運営する区画は比較的安価で借りられることが多く、一方で個人が運営する場合は費用はやや高めですが、土の整備が行き届き、手入れがしっかりされている傾向があります。また、農地の少ない大都市圏に比べ、地方都市のほうが 一区画が広く、手ごろな費用で借りやすいという特徴があります。
利用地域 | 区画の広さ | 費用の目安(円/年) |
大都市圏(東京・大阪・名古屋) | 10~30㎡ | 8,000~20,000円 |
地方都市 | 30~50㎡ | 5,000~10,000円 |
地域によって価格に差はありますが、月に1,000円程度で畑を借りられ、野菜の収穫を楽しめることを考えると、コストパフォーマンスはとても良いと言えます。ちなみに、私の住む 北海道室蘭市では、NPO団体が市民農園を運営しており、1区画(100㎡)を年間2,500円 という非常にお得な価格で借りることができます。室蘭市にお住まいの方は、この機会に家庭菜園を始めてみてはいかが?

区画の貸し出し期間
区画は1~3年単位で貸し出している畑が一般的です。4月から利用可能で3月に返却となります。一方、寒冷地では11月を区画の返却月としている場合もあります。なお、期間終了後も継続して使用したい場合は、運営者へ相談してみましょう。運営者によっては利用期間中に継続使用の希望を聞いてくれる農園もあります。継続できれば、冬越し野菜にも挑戦でき、栽培できる野菜の幅が広がりますよ!
区画の大きさや割り当て
一般的に区画は10~50㎡で貸し出されている地域が多く。区画が大きいほど費用は高くなります。特に先着制の農園では、使いやすい区画から埋まっていくことが多いです。以前の使用者が整備していた場合、土づくりが済んでいたり、防獣ネットが残されていて活用できることもあります。一方で長く使用されず雑草が生い茂るような区画が残ることもあるので、始めたいと思った時に申し込むのが良いかもしれませんね!相談によっては複数区画の貸し出しができる農園もあります。まずは1区画を1年借りて、自分に合った菜園規模を考えてみましょう。もしかすると翌年には、区画を増やしたくなっているかもしれません!

市民農園の申請方法
申請方法には、WEBフォーム、申請用紙の郵送やFAXなどがあります。所定フォームに従って申請者の情報や希望区画などの内容を埋めていきましょう。その他に窓口や電話で申し込みを受け付けている場合や複数の申請方法で募集を行っている運営者もあります。まずは運営者のウェブサイトを確認し、不明点があれば直接問い合わせるのがおすすめです。申請時に担当者と話せる場合は、畑を使うときのルールや注意点を詳しく聞いておくと安心です。
利用可能な設備
市民農園で利用できる設備は運営者によって異なります。申請前に、運営者のウェブサイトを確認したり、直接問い合わせたりして、以下のような設備が整っているかを確認しましょう。共有のものが多いのでマナーを守って使用しましょう。
水道設備:多くの農園に共有の水道がありますが、ポリタンクで水を運ぶ必要がある場合もあります。
農具:スコップや鍬、一輪車などを共有できる農園もあります。
農具の保管場所:貸しロッカーや収納スペースがあるかどうかも要チェック。
駐車場:車で通う場合は、駐車スペースの有無を確認しましょう。
また、市民農園を探す際には、『農園ナビ』というウェブサイトで設備情報を確認することもできます。さらに、農具・種苗・肥料・水道が完備されており、農園アドバイザーのサポートが受けられる『シェア畑』というサービスもあります。手ぶらで始めたい方は、こうしたサービスを検討してみるのもよいでしょう。首都圏を中心に約70農園を展開しているシェア畑の詳細はこちら。(※この記事にはアフィリエイトリンクを含みます。)

市民農園での野菜作りの始め方
畑を借りることができたら、野菜作りが始まります。市民農園での菜園づくりのポイントは次の通りです。
土づくり:肥料などの使用は基本的に自由。持参したスコップや鍬で土を耕して、堆肥や元肥をすきこみ調整しましょう。すでに運営者が土を調整していたり、以前の利用者が手入れをしている場合もあるので、事前に運営者に確認すれば、初期の土の調整が楽になります。長く使用されず雑草が生い茂る区画の場合は、有料で土を耕してくれたり、耕うん機の貸し出しをしている運営者もいますので相談してみるとよいでしょう。
野菜の栽培:種や苗は持ち込みになります。基本的にどのような野菜を作ってもよいですが、ツルが伸びるカボチャやスイカは他の方の区画へ伸びないよう、適度な剪定を行いながらしっかり管理しましょう。また、冬期間に区画の使用ができない寒冷地では、越冬野菜(ニンニク・キャベツ・イチゴなど)は作れませんのでご注意ください。さらに、数年に渡って収穫ができるアスパラガスなども区画の貸出期間を考慮して栽培を計画しましょう。
害獣対策:事前に運営者にイノシシやシカなどの害獣対策が必要かどうかを確認しておきましょう。必要な場合は、防獣ネットを張ったり、支柱を使ったフェンスを作るなどの対策を行いましょう。鳥の被害がある場合は、鳥が近づけないよう野菜をテグスで囲ったり、ポール竿に取り付ける鳥よけカイト(凧)の導入も検討しましょう。
あとは思い思いに野菜を作るだけ!自分だけの畑ライフを満喫しましょう!

区画の返却方法
今後、農園を使用しない場合や契約期間が終了した場合は区画を整理して返却しましょう。返却のポイントは次の通りです。
持ち込んだ農具や道具:持ち帰りましょう。
設置した資材(マルチ、防虫・防獣ネットなど):撤去しましょう。ただし、防獣ネットは次に区画を使う方が活用できる場合があるので、撤去不要としている農園もあります。
栽培中に出たごみ:片付けて持ち帰りましょう。
畝:そのままの状態で返却できることが多く、運営者側で耕したり、次に区画を利用する人がそのまま畝を使うこともあります。一方、平らにならしてから返却が必要な農園もあるので、運営者に確認しましょう。
残滓(枯れた野菜の苗や実など):そのままでOK。残滓・雑草の集積場がある場合はそちらにまとめましょう。
寒冷地では翌年に継続使用が決まっている場合でも冬の畑起こしのために、一度、撤去が必要な農園もあります。一般的な返却方法は上述となりますが、詳しくは運営者に確認しましょう。
まとめ
各農園ごとにルールが異なるため事前の確認で理想の農園を見つけましょう。市民農園の利用までに押さえておきたいポイントをまとめると、
・募集は冬から早春にかけての12~3月、追加募集は6~8月
・運営者(自治体もしくは個人)や地域(都市部か地方都市)で使える区画の広さや価格が異なる
・『自治体名+市民農園』でウェブ検索すれば簡単に探せる
・基本的に水道設備が備わっており、農園によっては他に利用できる設備がある
・募集期間に関わらず区画が空くこともあるため相談してみるのも手
自分専用の畑が月1,000円前後で借りられる!野菜作りを楽しんで、美味しい野菜を家族に還元できるのであればコスパもよく、家庭にもやさしい最高の趣味になることは間違いなし!黙々と畑と向き合っても、ワイワイ畑で仲間を作ってもOK!仕事と家庭を往復する生活に趣味の野菜作りを加えて手軽で自由な畑ライフを過ごしてみるのもよいですね!
