初心者向け ミニトマトのプランター栽培/手軽に始めて親子で食べよう

家庭菜園

春になると、ホームセンターの園芸コーナーにはたくさんの野菜の苗が並び始めます。その中でもとくに目に付くのがミニトマト。家庭菜園の定番と言えるでしょう。プランターでも育てられる野菜なので、とっても手軽。何か新しいことに挑戦したいなら、ミニトマトがピッタリ!また、お子さんと育てたミニトマトを一緒に食べれば、楽しいひとときに!食卓にも貢献できる家庭菜園は家族みんなで楽しめる趣味になります。2022年から北海道で家庭菜園を続けてきた筆者が、ミニトマトの育て方をわかりやすく紹介します!

ミニトマトのプランター栽培は、

  • 2000円前後で始められる
  • 種類が豊富
  • 苗の植え方から収穫までの栽培スケジュール
  • アブラムシやカラス対策
  • 子供の食育や食卓に貢献できる家庭に優しい趣味

ミニトマト栽培初心者向けにプランターでの栽培に必要なものを紹介します。

  • プランター 直径40~50cm・深さ30cm以上(300~500円)
  • 支柱(リング支柱が便利。150円ほど)
  • 軽石(100円ほど)
  • 鉢底ネット(100円ほど)
  • 野菜用の培養土(元肥が配合されている場合が多い。500円前後。)
  • 肥料(追肥用のハイポネックスなどの液体肥料がおすすめ。500円前後。)
  • ミニトマト苗(300円前後)
  • ジョウロ(300~500円)

必要な道具をそろえても、初期費用はおよそ2,000円。
ダイソーなどの100円ショップを活用すれば、さらに費用を抑えることも可能です。一方、夏から秋にかけてミニトマトをスーパーで買うと、シーズン合計で4,000~5,000円ほどかかります。
それを考えると、たった2,000円の初期投資で何十個も収穫できるプランター栽培は、とてもコスパが良いですね!

北海道では5月頃から、ホームセンターで野菜の苗が並び始めます。関東地方では、これより1カ月ほど早く販売が始まります。種から育てることもできますが、手軽に始めるなら苗の購入がおすすめ!ミニトマトは人気の野菜なので、手に入りやすく種類も豊富。品種がとても多いので代表的な初心者向けのミニトマトを紹介します!

【甘さ重視】

  • アイコ:甘みが強く、酸味が少ない。楕円形で果肉がしっかりしており、裂果しにくい。
  • 千果(ちか):糖度が高く、バランスの良い甘みと酸味。栽培しやすく、多収穫なのも魅力。
  • オレンジ千果(ちか):千果のオレンジ版。糖度が高く、フルーティーな味わい。サラダ向け。
  • 純あま:甘くて食べやすい。やや大きめ。病気に強く育てやすい。

【育てやすさ重視】

  • シュガープラム:皮が柔らかく、甘みが濃厚。病気に強く、初心者向け。
  • ピンキー:小粒で柔らかく、甘みが強い。連続して実がなりやすい。
  • イエローアイコ:「アイコ」の黄色版で、酸味が少なく甘みが際立つ。裂果しにくく、実つきも良い。
手前右側がオレンジ千果、左奥が純あまの苗
実のついた純あま
実のついたオレンジ千果

道具や苗の準備ができたら、いよいよ植え付けです。プランターは畑と違い、根を張る空間に限りがあります。根詰まり(根が込み合って成長が阻害される) や 水はけの悪化が起こりやすいため、環境をしっかり整えることが大切です。

  1. 鉢底に鉢底ネットを敷く(土の流出や排水を防ぐ)
  2. 軽石を敷く(根腐れを防ぐため。鉢底から2~5cmほど。)
  3. 野菜用の培養土を敷く(5~10cmほど)
  4. 苗を入れる
  5. 苗の土の部分が隠れるまで培養土をいれる
  6. 株元を軽くドーム状に盛り、表面にサラッと土をかける(排水をよくするため)

軽石や鉢底ネットを適切に使うことで、水はけが良くなり、根が健康に育ちやすくなります。
元気なミニトマトを育てるために、しっかり準備を整えましょう!

軽石の下に敷くのが鉢底ネット
ダイソーやホームセンターで手に入ります。

ミニトマトは温暖な地域で育つ夏野菜です。全国的に人気がありますが、春に気温が10℃を下回る北海道では、栽培開始時期に注意が必要です。ここでは、北海道南部での栽培を想定したスケジュールを紹介します。栽培開始については、関東地方では1カ月早めに、北海道の道央や北東部では半月ほど遅らせるとよいでしょう。

時期やることヒント・注意点
5月下旬植え付け(定植)気温が10℃以上に安定してから。支柱を立てる。
風よけの設置米袋の底を切り取り筒状にして支柱ごと苗の上から被せる。
6月中旬風よけを外す60~70cmほどに成長すれば外してOK。必要な場合、支柱と苗を優しくひもで縛る。
6月下旬~芽かき枝の付け根に出る新芽を定期的に摘み取る。指でポキッと簡単に折り取る。
追肥2週に1回の追肥を開始。(培養土の肥料成分が切れ始めるため)
7月上旬着花花が咲き始める。この中から緑色の実ができる。
7月中旬~収穫色づいたミニトマトから収穫。
9月上旬芯止め収穫を終える1カ月前を目途に株の生長点(上に伸びようとする部分)を切る。株の成長が止まる一方で栄養が果実に回るようになる。
10月片付け涼しくなり、果実がつきにくくなったら栽培終了。

芽かきを行う新芽は、枝と枝の付け根から生えてきます。これを摘み取ることで枝が込み合わず、その後の管理が楽になります。また、余分な枝に栄養が取られず、果実へ効率よく栄養を送ることができます。

米袋による風よけの例。写真は畑での栽培のもの。
大きな枝と枝の付け根から生た新芽は芽かきする。

ここからは、栽培のヒントをお伝えします。
ミニトマトの水やり頻度は少なめでOK!水分が多いと果実の甘みが落ちる原因になります。
朝か夕方に土の表面が乾いていたら水を与えます。特に夏場は乾きやすいので朝と夕方のチェックはしっかり行うのがポイント。
また、雨ざらしにならないように雨の日には軒下などに移動。特に本州にお住まいの方は梅雨時期には注意が必要です。土が湿っている場合は水やりは控えます。

ミニトマトはアブラムシがつきやすい野菜の一つです。アブラムシは小さな虫で株に飛来してきます。その幼虫は株に寄生して葉の養分を吸い取るため、生育不良の原因となります。対策として、防虫ネットをかぶせるのが一般的ですが、もっと手軽な方法もあります。
それがアルミホイルを株元に敷く方法です。アルミホイルの光が乱反射することで、アブラムシは寄り付きにくくなります。特にダイソーの「ガステーブルマット」は、株元を覆うのにちょうどよいサイズなのでおすすめです。手軽に試せるので、ぜひ活用してみてください。

ハサミで中心に向けて切り込みを入れて株元に回すだけ

ミニトマト栽培では、アブラムシだけでなく、カラスなどの鳥による食害も発生することがあります。特にカラスは、完熟したミニトマトを狙ってついばむことがあり、気づいたらあたりにミニトマトが散乱なんてことも…。
カラスは羽に何かが触れるのを嫌がるため、テグス(釣り糸)をプランターの周りに張り巡らせると、カラスが近寄りにくくなります。 テグスは細くて透明なので目立ちにくく、栽培作業の邪魔にならない範囲で設置できるのもメリットです。効果的な張り方としては、高さ30cm〜50cmくらいの位置に、プランターの周囲を囲うようにテグスを張り巡らすのがおすすめです。手軽にできるので、カラスの被害に悩んでいる方はぜひ試してみてください!

ここまで、ミニトマトのプランター栽培について紹介してきました。プランター栽培なら、初期費用は約2000円と手頃で、場所を選ばず気軽に始められます。今回紹介した栽培スケジュールやコツを参考にして、ぜひおいしいミニトマトを育ててみてください。収穫したミニトマトを親子で食べる時間は、きっと特別なものになるはずです。
30代になり家庭を持つと、これまでの趣味が思うようにできなくなることもあるかもしれません。でも、家庭菜園なら家族と一緒に楽しめる趣味になります。その中でも、ミニトマト栽培は手軽で始めやすく、きっと家族みんなの笑顔が増えるはずです!ぜひ、ご家族でチャレンジしてみてくださいね!

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